マーケティングの究極の目標は、「売り込まなくても、商品が勝手に売れていく状態を作ること」です。
どういうことかと言うと、たとえば…
「売り込まないパン屋」の話
想像してください。あるパン屋さんの店主が「ウチのパン、どうですか?」と必死で声をかけていたら、少し引きませんか?でも、そのパン屋が毎朝、通りに美味しそうなパンの香りを漂わせていたらどうでしょう?
通行人は、「あれ、とってもいい匂いがするな」「なんか美味しそうだから入ってみようかな」と自然に引き寄せられますよね。
つまり、マーケティングとは、「自分から買いたい」と思わせる香り(価値)をどう作るかということなんです。
お客様は何を買っているのか?
パンを例に考えてみましょう。お客様はただ「小麦と水でできたパン」が欲しいわけではありません。
本当に買いたいのは、こんな価値ではないでしょうか:
・「朝の幸せなひととき」(焼き立てパンをかじる喜び)
・「家族みんなで笑顔になれる瞬間」(食卓に並ぶ温かいパン)
・「おしゃれで美味しい朝食を楽しむ自分」(SNSで自慢できる写真)
お客様は、商品そのものではなく、その商品を通じて得られる価値を買っているのです。
3つの価値を知ろう
パン屋さんで感じられる価値には、次の3種類があります。
- 機能的価値
→「必要なことができる価値」
例:パンを買えば、空腹が満たされますよね。これは基本的な価値です。 - 情緒的価値
→「心が満たされる価値」
例:焼き立てパンを食べたときの「ホッとする感覚」「自分へのご褒美」。 - 社会的価値
→「周囲から評価される価値」
例:高級ベーカリーのパンを差し入れに持っていけば、「センスいいね」と思われます。
香りを漂わせる工夫をしよう
ただ「ウチのパンは美味しいですよ!」と叫ぶだけでは、お客様に響きません。
どうすれば「香り」を届けられるか?
たとえば:
・店頭で焼きたてパンをその場で並べ、香りでお客様を引きつける。
・「このパンでこんな幸せな朝食を」と、具体的なストーリーを提供する。
お客様に「私もその価値を体験したい!」と思わせることが大事です。
他店と違う特別な価値を作る
最後に重要なポイントです。
他店でも「焼きたて」「美味しい」をアピールしていますよね?その中で自分だけの特別な価値を見つける必要があります。
例えば:
・「国産小麦100%で安心安全」
・「フランス直輸入のバター使用」
・「1日限定50個でプレミアム感」
こういった「ここでしか手に入らない」ストーリーや価値を作り出すのがカギです。
まとめ
マーケティングとは、「お客様が自分から欲しいと思う状態を作ること」。それができれば、売り込みは不要です。
つまり、美味しい香り(価値)を漂わせて、「自然とお客様が寄ってくるパン屋さん」を目指すのが究極のゴールなのです!