経営者特集

株式会社MUSUBU代表取締役 清野みゆき社長


「絶対にやめない」と決めた日から、すべてが動き出した。

—— 小さな“自分との約束”が、大きな成功を連れてきた

サービスを立ち上げ、軌道に乗せるまでには、数え切れないほどの選択と行動が求められます。そんな中で「これが転機だった」と語れる瞬間があるとしたら、それはどんな出来事なのでしょうか。

彼女が最初に語ったのは、成功の定義そのものに対する考えでした。

「正直、“何が成功か”ってすごく難しいですよね。人それぞれ、感じ方や基準が違うと思います。だからこそ私は、自分の中に一つだけルールを作ったんです。絶対にやめない。諦めない。 それを、自分との約束にしました

この“やめない”という覚悟は、数字や結果よりも先に、行動を支える強い芯になっていたと言います。

「やり切ったかどうか、達成感があるかどうか。それって自分にしかわからないことだと思うんです。だから私は、“目標に達するまでは、絶対にやめない”って決めていました。小さな目標でもいい。大事なのは、自分で決めた約束をちゃんと守ることでした

彼女が起業したのは8年前。当時は、アメブロを使って毎日発信を続けていたと言います。

「最初は“アメブロからお客様が1人申し込んでくれるまで、毎日更新する”って決めていました。誰に頼まれたわけでもない。でも、それを守りたかったんです。自分との約束だからこそ、裏切りたくなかった」

ひとつ達成できたら、また次の目標を立てて、それに向かって続ける。
その繰り返しが、やがて積み上がって、大きな信頼と成果になっていったのです。

「“結果が出たから続けた”んじゃなくて、“続けたから結果が出た”んですよね。周りから見てどれだけ小さなことに思えても、私にとってはすごく大きな一歩だったと思います」

“成功”とは、誰かに与えられる称号ではなく、自分で定義し、選び取るもの。
その土台にあるのは、派手な戦略でも特別なスキルでもなく、ただひたすらに「続ける」という選択をし続けた日々でした。

「目の前の小さな“できた”を重ねていく。それが、結果的に私にとっての“成功”につながったんだと思います」

彼女の言葉から伝わってくるのは、華やかな成功譚の裏にある、ひたむきな積み重ね。
諦めない力と、自分を信じる心があれば、どんな夢も遠くない――そんな力強いメッセージが、静かに、でも確かに響いてきます。


自分がされて嬉しいことを、迷わず先にやる

—— 相手の想像を一歩超える、細やかな心づかいの重ね方

お客様の期待を超えるサービスを届けるには、どんな意識や姿勢が必要なのか。
この問いに対して彼女が語ったのは、シンプルでありながら深い信念でした。

「まず、“自分がされて嬉しいこと、助かることは、必ず相手にもする”と決めています。これは私の中で、ずっと変わらないルールです」

彼女自身、会社を経営する立場として、スタッフからのサポートに助けられる場面が多々あります。
だからこそ、「こんな配慮がありがたかった」という経験を、自分がお客様に接する際にも、丁寧に活かしているといいます。

たとえば、返信のタイミングにもその意識は表れています。

「土日にご連絡をすることもあるんですが、お客様の業種によっては稼働日もまちまちですし、スタッフも同じ。だから“土曜のお時間帯に失礼いたします”など、冒頭に一言添えるようにしています。たったそれだけでも、受け取る側の印象は大きく変わると思うんです」

また、ビジネスにおいて信頼を左右する「レスポンスの速さ」にも、細やかな配慮を欠かしません。

「“即レス”って大事ですが、どうしてもすぐに返信できないこともありますよね。そんなときは、まず“メッセージは確認しています”と伝える。そして“何時頃に作業に入れそうです”とか、“確認が取れ次第、またご連絡します”と、次のアクションを必ず明確にするようにしています」

相手からの“ボール”を受け取ったままにせず、ちゃんと投げ返す。
その“キャッチボール”を丁寧に続けることが、信頼関係を築くうえで何より大切だと語ります。

「すごく特別なことをしているわけではないんです。でも、相手に安心してもらうために、自分がされて嬉しかったことを、一つひとつ大事に実践する。その積み重ねが、“期待を超える”という結果に繋がっていると思います

驚くようなサプライズよりも、相手の目線に立った“当たり前”を、どこまでも丁寧に、誠実に。
それこそが、誰かの心を動かす“特別な対応”になるのかもしれません。


先回りの思いやり”が、満足度を育てる

—— 忙しいママたちだからこそできる、連携力と提案力の工夫

お客様の満足度を高めるために、どんな工夫をしているのか——。
その質問に対して、彼女が語ってくれたのは、“小さな積み重ね”と“女性ならではの強み”を生かした取り組みでした。

「私たちのコミュニティは、実は9割以上が“ママ”なんです。もちろんママでない方もいますし、これからママになる方もいらっしゃいます。でも共通しているのは、細やかな気配りとマルチタスクの力がとても高いということですね」

彼女が例に挙げたのは、料理の段取り。
一つの出汁から複数の料理を効率よく展開するママの工夫は、そのまま業務にも活かされているといいます。

「ただ“言われたことをこなす”のではなくて、そこから先にある作業や、過去のミーティングでポロっとこぼれていた一言まで拾って、組み合わせる。“テトリス”みたいな感覚ですね。あ、きっとこの後これも必要になるよなって、先回りして準備したり、ご提案をしたり」

たとえば、お客様からの依頼があった際に、それに対応するだけでなく、

「この前こんなことおっしゃってましたけど、こちらもご用意しておきました」

「今後必要になりそうですが、このタイミングでご提案してもいいですか?」

といった一歩先の気遣いを自然に差し出す。
するとお客様からは「まさにそれ、やらなきゃと思ってたんです!」と感謝の声が返ってくることも少なくないそうです。

「私たちが日々やっていることって、本当に小さなことばかり。でも、“先のことを一緒に考えてくれている”“気にかけてくれている”と感じてもらえることが、やっぱり満足度に繋がっていくのかなと思っています

ママだからこそ培われた視点と段取り力を最大限に活かし、ただ“こなす”のではなく、
相手の未来を見据えた“先回りの提案”をする。

その積み重ねが、お客様との信頼を深め、期待を超える満足に繋がっているのです。


一人じゃないと感じられる、推し活のようなサポート

—— お客様の心を動かす、“見えない応援”の力

お客様からは、どんなお声をいただいているのでしょうか。
その問いに対して、彼女は“業務の支援”という枠を超えた、温かなつながりについて語ってくれました。

「チームメンバーが加わったことで、“ひとりじゃない”って感じてもらえることが多いんです。経営者って“孤独”って言われることもありますよね。そんな中で、“信頼できる仲間がいる”っていう安心感を持ってもらえているのが嬉しいですね」

もちろん、実務的なサポートの声も多く届いています。
ITが苦手な方であれば「ずっと後回しにしていた部分が、どんどん進むようになった」という感謝の言葉も。

でも、それ以上に印象的なのが、“心の距離感の近さ”への反応です。

「私たちはよく『私たちの仕事って“推し活”だよね』って言ってるんです。クライアントさんのことが本当に大好きで、陰ながら全力で応援しているんです。だからSNSもよく見てますし、業務以外の投稿にも目を通していて、“あ、こんな学びに参加されたんだ”“ご家族とこういう時間を大切にされてるんだな”って、背景を知ろうとしています」

その“応援の姿勢”は、日々のミーティングでも活かされています。例えば、

「この前、○○に行かれてましたよね!どうでしたか?」

「新しい学び、取り入れてるんですね。今後何かプロモーション予定ですか?」

といった声がけが、ふとした瞬間に会話に現れる。

「お客様からすると、“そこまで見てくれてるんだ”っていう驚きや感動があるみたいなんです。でも、それが決して押し付けじゃないように、言葉の届け方にはすごく気をつけています」

誰よりも自分のことをよく見ていてくれる。
誰よりもそっと応援してくれている。
そんな“推し活のようなサポート”が、お客様にとっては大きな励みとなり、日々の原動力になっているのです。


誰にも理解されなかった“裏方の起業”

—— 時代の先を行く、その孤独と突破力

今でこそ、多くの経営者から支持を受ける「オンライン秘書・サポート」という働き方。
しかしその立ち上げ当初、彼女の前には“理解されない”という高い壁が立ちはだかっていました。

「大変だった瞬間って、本当に数えきれないくらいあるんです。でも中でも一番苦しかったのは、この事業自体が理解されなかったことですね」

今から約8年前。
当時はちょうど“女性起業家ブーム”とも言われ、有名な起業家の本がベストセラーになったり、「可愛いママで年収1000万円」といったコピーが話題を呼んだ時代。

「当時は“起業する=講師やコーチとして前に立つこと”が主流でした。ポーセラーツの先生とか、スタイリストさん、コーチングの仕事など、自分の名前を出して“教える側”になることが多かったんです」

そんな中で彼女が始めたのは、自分が表に立つのではなく、「誰かの成功を裏から支える」というまったく異なる形の起業。しかもそれは、在宅・オンラインで完結するスタイルでした。

「コロナ前ということもあり、“オンラインで在宅で人をサポートする”という働き方が、まだ浸透していなかったんです。起業って、誰かに何かを教えてお金をもらうことでしょ? そんな空気感が、まだまだ強かったですね」

たとえ必要性があっても、「経営者自身がやればいい」と思われてしまう。
だからこそ、誰にも頼られず、誰にも必要とされず。
「これは意味がある」と信じていても、孤独に突き進むしかなかった。

「SNSに出していた訳でもなく、すべて紹介でいただいたお仕事ばかりでした。だから“やりたい”って言ってくれる仲間も、“お願いしたい”って言ってくれるクライアントもいなかった。あの頃は、本当に苦しかったです」

そんな日々の中で彼女が諦めなかったのは、「このサポートが、いつか誰かの“必要”になる日が来る」という確信でした。
そして少しずつ、クライアントが「これ、私にも必要かも」と気づいてくれた時、流れは変わり始めます。

「最初は“理解してもらう”ことからのスタートでした。でも今では『私もそんな風に働きたい!』『素敵な働き方ですね』って言ってもらえることも増えて、本当にうれしいです。あの頃の苦労も、今につながってるんだなって思うと、すべてが意味のある時間だったなって感じます。」


「私たちの仕事って“推し活”なんです」
そう笑って話す姿がとても印象的でした。
誰よりもクライアントを想い、寄り添い、気づかぬうちにそっと背中を押している。
その姿勢は、まさに“秘書”の枠を超えた、伴走者そのもの。
理解されにくかったスタート時期の葛藤を経て、今では多くの方に信頼され、憧れられる存在に。
これからも、彼女の生み出す“心強さ”は、たくさんの人の挑戦を支えていくのだと感じました。


株式会社MUSUBU代表取締役 清野みゆき社長

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