さて、「ターゲットを定める」「顧客購買サイクル」「メディアプランニング」というテーマについてお話ししますが、これは言ってみれば「戦略を立てる」という大切なステップです。この話を身近に感じてもらえるよう、少しユニークな例えを使いながら解説していきたいと思います。
1. ターゲットを定める
例え:街中で誰かをナンパする場合を考えてみてください
突然ですが、街中で誰かに声をかけるとき、やみくもに全員に話しかけますか?たぶん、そんなことはしないはずです。「どんな人なら自分と話してくれるだろう」「相手の好みや気分はどうだろう」と、少しは考えるものですよね。これが、まさにターゲットを定めるということです。
人口統計学的特徴と心理学的特徴の2つの視点
- 人口統計学的特徴:
性別、年齢、職業など、相手の「表面的な情報」を考えます。たとえば、スーツ姿のビジネスマンにはビジネス話題を、学生らしい若者には趣味の話題を選びます。 - 心理学的特徴:
相手がどんな悩みや欲望を持っているかを想像してみましょう。雨の日なら「濡れて大変ですよね、傘いりますか?」と話しかける方が相手も反応しやすいですよね。
ブランドにおいても同じです。「誰に響くか」を考え、その人の心に刺さるアプローチをする必要があるのです。
2. 顧客購買サイクル
例え:お気に入りのラーメン屋とそのタイミング
皆さんはお気に入りのラーメン屋があったとしても、毎日行きますか?多くの人は、1週間に1回とか、「飲み会の後の〆ラーメン」など特定のタイミングで行くものです。この「行きたくなるタイミング」が、ブランドで言うところの顧客購買サイクルにあたります。
なぜ購買サイクルを知る必要があるのか?
たとえば、清掃用品のように「使い切るたびに買う」商品なら、そのタイミングを狙って広告を出せば効果的ですよね。一方で、車のように「数年に一度」買う商品なら、ブランドを忘れさせない工夫が必要です。
トヨタの例では、顧客が車を購入するまでのプロセスを4つのフェーズに分けて分析しました。これにより、「いつ」「どのように」アプローチすべきかが明確になります。言ってみれば、顧客がラーメンを食べたくなる瞬間を見極めるようなものです。
3. メディアプランニング
例え:SNSで友達にメッセージを送る場合
昔は手紙や電話だけだったコミュニケーション手段も、今ではLINE、インスタ、メールなど選び放題ですよね。でも、相手が普段見ていないSNSにメッセージを送っても、読まれないことがありますよね?つまり、相手が普段使う「媒体」を知ることが重要なんです。これが、ブランドにおけるメディアプランニングの本質です。
なぜメディアチャネルが重要か?
昔のブランド広告は、テレビや新聞のような「一方通行」の手段しかありませんでした。でも、今はSNSやブログを通じて、消費者も声を上げられる時代です。ブランドがどれだけ魅力的な投稿をしても、消費者にスルーされれば終わりです。
だからこそ、ターゲット層が普段どんなメディアを使っているのか、どんな情報に反応するのかを理解する必要があります。ここで重要なのは、「すべてを統一する一貫性」。どのメディアを使っても、ブランドとしての声がブレないようにすることが信頼感を生むのです。
まとめ:心に響く究極の戦略とは
もし、誰かにブランド戦略を説明するならこう言います。「料理を作る前に、どんな味を目指すかを決める(ターゲット設定)。次に、その料理が日常の食事用なのか、おもてなし用なのかを考える(購買サイクル)。そして最後に、その料理を誰にどんな場面で出すかを決める(メディアプランニング)。これが決まらないと、どれだけ腕を振るっても自己満足で終わります。」
聞き手の心に火をつけるのは、「わかりやすい例え」と「納得感」です。