本日は、仕事やビジネスにおける「価値観」の力についてお話しします。この考え方を知れば、あなたの目指す未来がより明確に、そして面白くなるかもしれません。
1.歴史に名を残す仕事とは?
例えば、「誰もが一度は聞いたことがある絵本作家」エリック・カールをご存じでしょうか?彼の代表作『はらぺこあおむし』は、世界中で何億冊も売れ、教育現場や家庭で読み継がれています。エリック・カールさんはただの絵本作家ではなく、「子どもたちの好奇心を育む」ことを自分の価値観として持ち、それを仕事に生かしてきました。
なぜ『はらぺこあおむし』がここまで愛されるのか。それは、ただの絵本ではなく、「子どもが成長し、自分で考えるきっかけを与える」という未来を見せたからです。単なる商品ではなく、その背景にある価値観が共感を呼び、彼を絵本作家として歴史に名を刻ませたのです。
2. 「志教育」で自分を言語化する
「志教育」とは、人間が持つ本質的な価値観や目的意識を明確にし、人生を豊かにするための教育のことです。この中では「勇」「親」「愛」「智」という4つのキーワードが、人としての生き方や行動の指針となる要素として挙げられます。それぞれは普遍的なテーマですが、人によって感じ方や捉え方が異なるため、自分の言葉でこれを言語化することが大切です。
たとえば:
・勇:挑戦する心や決断力、困難に立ち向かう姿勢を指します。
・親 : 他者との深い関わりや、親しみを感じる人間関係の絆を意味します。
・愛 : 人や物への思いやりや献身、共感を表します。
・智 : 知恵や洞察力、学びを通じて成長し続ける力を指します。
自分のしっくりくるニュアンスで言語化する
これら4つのキーワードは、そのままだと抽象的で、自分自身の価値観に落とし込むのが難しい場合があります。そこで、自分なりのニュアンスで言語化してみましょう。
・勇の例え
「勇気」を「人前で自分の意見を言う力」とする人もいれば、「失敗を恐れず新しいことに挑戦する心」と考える人もいます。
・親の例え
「親しみ」を「大切な家族との時間」と考える人もいれば、「同僚や友人との信頼関係」と定義する人もいます。
・愛の例え
「愛」を「目の前の人を全力で支えること」と捉える人もいれば、「共に笑い合ったりする等の感情の共有」と考える人もいます。
・智の例え
「智」を「知識を得て新しい道を切り開くこと」と考える人もいれば、「過去の経験から学ぶこと」と定義する人もいます。
3. 3つの差別化軸で勝負する
森岡毅さんがUSJをV字回復させた考え方に、「差別化軸」があります。
・手軽軸(早い・安い・便利)
・商品軸(最新技術・最高品質)
・密着軸(お客様をよく知っている)
たとえば、地元の小さなカフェが「密着軸」を取り入れて、「常連さん限定の裏メニュー」を作ったとしましょう。これだけでお客様に「特別感」が生まれ、リピートにつながります。小さなビジネスほど、この「密着軸」が有効です。
4.顧客が買うのは「商品」ではなく「未来」
大事なのは、商品そのものではなく、それが提供する未来をお客様に伝えること。たとえば、「この靴は1日中歩いても疲れません」という商品があったとします。ただ靴を売るのではなく、「この靴を履けば、家族での旅行も全力で楽しめます!」という未来を見せるのです。
これが「セリングをなくす」方法です。お客様は「欲しい未来」を手に入れるために商品を買うのです。
5.錯覚資産を積み上げる
「人生は運でも実力でもなく、勘違いさせる力で決まる」という言葉があります。お客様はすでに、「この人なら信頼できる」と思い込んでいるから購入するのです。これを作り出すのが「錯覚資産」です。
具体的には、以下のような要素を積み上げていきます:
・お客様の声や実績
・SNSフォロワー数
・「○○と言えばこの人」と言われる専門性
これらはすべて、「信頼」という見えない資産を形作ります。
6.フロントエンドとバックエンドを分ける
フロントエンド商品とは、「集客用」の商品。たとえば、無料セミナーや試供品などがこれにあたります。一方、バックエンド商品は「利益を出す」ための商品です。この2つをしっかり分けることで、お客様の満足度を高めながら売り上げを伸ばすことができます。
最後に
仕事もビジネスも、あなた自身の価値観を基盤にして考えれば、自分も楽しく、周りも幸せにすることができます。「なぜこれをやるのか」という問いを軸に、未来を描いてみてください。
小さな一歩を積み重ねていけば、いつかあなたの名前も歴史に刻まれるかもしれません。